特集 収支からマネジメントを読む
在宅療養支援診療所の現況報告―豊かな看取りの実現
苛原 実
1
1いらはら診療所
pp.102-107
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101000
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はじめに
在宅療養支援診療所(以下,在宅診療所)が2006(平成18)年の7月から1年間に介護施設や在宅で看取った方は,全国で2万7072名であり,9777施設中の3168診療所(32%)では看取りが1件もなかった。また,地域による格差も大きく,東京は4514人,大阪2314人,神奈川1844人と,都市部においては看取りの人数も,診療所1軒あたりの在宅看取りの人数も多かった。
現在は1万件を越えているといわれる在宅診療所であるが,看板だけ掲げて実際に稼動していない診療所があることや,地域による格差も明らかになった。また,東京都内は在宅診療所数が比較的多く,看取りの人数も多いことが実証された。すなわち,看取りをしっかりと支援する診療所の数が増えれば,在宅での看取りの人数も増えるということである。本稿では当院のこれまでの経緯や在宅医療システムを紹介して,診療所のマネジメント面を中心に在宅診療所の現況を報告をする。
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