特集 介護職と医療職の連携―「医行為外」問題から考える
在宅で医行為の必要な利用者への看護と介護の連携―訪問看護の立場から
佐藤 美穂子
1
,
小倉 朗子
2
,
田中 雅子
3
,
柴崎 祐美
1
1日本訪問看護振興財団
2東京都神経科学総合研究所
3前日本介護福祉士会
pp.563-566
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100848
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はじめに
生命維持のために医療処置が欠かせない在宅重度障害者が増えており,訪問看護や療養通所介護等,医療系の在宅サービスの充実が求められている。一方,厚生労働省通知でホームヘルパーが本人または家族と同意書を交わし,訪問看護師や医師と連携して行なうことで容認されている「吸引」問題については,3か年の検証期間が過ぎ,今後の方向性が見出されようとしているところである。
医行為が24時間,365日,いつ発生するか予測できない状態にもかかわらず,訪問看護師による24時間滞在型のケアが困難な実態にあっては,在宅重度障害者および介護家族を支援するために,看護と介護のケアミックスが必要である。
筆者らは2006年度厚生労働科学研究「在宅重度障害者に対する効果的な支援の在り方に関する研究」の分担研究として,看護と介護のケアミックスのあり方を提案するために,訪問看護師と訪問介護職にグループインタビューを行なうことでそれぞれの職種が関与する状況,関与するホームヘルパーが不安を感じる実態,「不安」が生じる要因を分析した。訪問看護師と介護職が専門性を発揮し,重度障害者の在宅生活を支えるためにどのように連携したらよいか,研究結果を紹介しながら述べていきたい。
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