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はじめに
ふれあいサロン「はまなす」は熊本県本渡市にある民間の小規模多機能型のグループホームです。元は民宿だった家を改造して,2000年4月に開所しました。
私はそれまで熊本市で行政の保健師として30年間働いてきたのですが,退職して,このグループホームを始めました。退職に際して,「辞めて,グループホームを始める」と言ったら,みんなから「バカな!」とか,「行政の保健師という身分だし,もうすぐ定年なのにもったいない」などと言われました。
しかし,私は100歳まで生きようと思っているので,50歳を過ぎた頃から,あとの50年は自分のために好きなことをして生きよう,やりたいことをやろう,と思っていました。それで,1999年末に退職して人生の区切りをつけ,第2の人生をミレニアムの2000年から始めることにして,以前からやりたいと思っていたグループホームを立ち上げたのです。
ふれあいサロン「はまなす」では,「通えて,泊まれて,住める」グループホームとして,デイサービス,ショートステイ,ロングステイなどの介護サービスを提供しています(図1)。
ホームは2階建て,1階に厨房と食堂,風呂,管理人室,2階は6畳の個室が10室,12畳の個室が4室(うち1室はキッチン付きの茶の間風ゲストルーム),中庭のまわりにコの字型に配置されています(図2)。厨房は元民宿だっただけに本格的です。開所にあたっては,和式トイレを洋式トイレにし,ホームエレベータを設置し,キッチン付きのゲストルームに改造するなど,あちこちにリフォームの手を加えました。
グループホーム開所当時は私の父(当時89歳)1人だけでしたが,その後,入居者が増えて,今は18人(男性9人,女性9人)で共同生活をしています(2003年6月現在)。
ケアスタッフは男性2~3人,女性3~4人で,看護職は私だけです。私は毎日,夜勤の補助として泊まりこんでいます。
開所から3年目を迎えたふれあいサロン「はまなす」での暮らしぶりとケアのありさまを,入浴場面を中心に点描してみましょう。
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