連載 生活空間論 生命のみなもと・9
グループホーム(2)
外山 義
1
1京都大学大学院・居住空間工学講座
pp.754-757
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902587
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前号において,痴呆性高齢者は(目に見えないものを)頭の中で想定したり,応用を利かせたり,臨機応変に振舞ったりすることができず,ある意味において,環境に対して極めて正直に反応する存在であることを述べた.すなわち,彼らにとっては,環境の貧しさ,空間の貧しさがそのまま行為の貧しさに直結しやすいということである.筆者は,様々な痴呆性高齢者のケア・介護施設を調査や視察で訪れ観察を重ねるなかから,痴呆性高齢者の環境行動は,環境の貧しさを映し出す鏡ではないか,と思うようになった.
前号から論じている痴呆性高齢者グループホームについて,その物理的環境のあり方や立地について述べてみたい.
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