実践報告
訪問看護でのフットケア―足の爪切りの重要性
吉田 朋子
1
1東京南看護専門学校
pp.1023-1025
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100732
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はじめに
本格的な高齢社会を迎えて,視力や体力の低下により1人では足を十分に洗えない,足の爪が切れないという高齢者は非常に多い1)。また靴や疾病の影響で,足や爪が変形したり巻き爪などで悩んでいる方も多く,さらにそれが原因で胼胝(たこ)や鶏眼(うおのめ)になっている人も見受けられる。
伸び過ぎたり厚くなった爪は体の重心のバランスをくずし,巻き爪や胼胝の痛みは歩行を困難にして,高齢者の活動を阻害する要因の1つとなっている。
今年の4月,改正介護保険法が施行され,筋力トレーニングなどの介護予防事業に大きな期待が寄せられている中で,足を清潔にする,足の爪を適切に切るなど,足趾や爪の健康を保つことが介護予防に効果があるとして注目されている。足のケアは立位や歩行を安定させるだけにとどまらず,心身に気持ちよさと満足を与え,在宅でのQOLの向上に大きく貢献するものである。
筆者は前職の訪問看護で利用者の爪が切れず困ったことをきっかけに,メディカルフットケアJF協会が主催する講座を受講し,足の爪切りを中心にフットケア技術を学んだ。
ここではフットケア技術を看護教育に取り入れることをめざしながら,当校の関連施設である東京南訪問看護ステーションと協働して筆者が行なったフットケアの実際と効果を紹介したい。
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