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はじめに
訪問看護ステーションの利用者は,病院に入院中の患者が対象ではない。誰にでも明らかなように地域の住民である。地域に生活している要介護者を訪問して看護するわけである。だから,地域を大切にして,利用者・家族,関係機関,病院,医院,ケアマネジャー,他のサービス事業所等と連携する。1人ひとりの利用者について,よく検討して,少しでも元気で幸せに生活できるよう,QOLの向上を目指して1つの目標に向かって,お互いのサービスを提供しなければならない。連携とは同じ目的に向かって協働することであって,どちらに上下関係があっても要介護者のためにならないと考えている。
訪問看護や訪問介護は,訪問看護師やホームヘルパーが1人で自宅等を訪問して,看護や介護を実施するわけであるが,要介護者には統一した目的のもとに,それぞれの専門のサービスを行なっている。どの事業所においても,管理者は業務を整理し,職員が在宅サービスの担い手として活躍できる土壌を耕すことが,大きな役割である。
居宅支援事業所および訪問看護ステーションを預かる筆者は,管理者がいかに地域との連携を重要に考えて,ネットワークを創り出しているかが,利用者のためにも,事業の成長のためにも大きなポイントであると考えている。
今回筆者が訪問看護ステーション開設以来実行してきた地域との連携への取り組みを述べ,地域とのネットワークが訪問看護ステーションの発展とそれに伴う経営等にもたらす意味を考えたい。
以下用語の整理として,訪問看護ステーションに所属する訪問看護師・保健師による訪問看護を「訪問看護」,ステーションに所属する理学療法士・作業療法士による訪問看護をここでは「訪問リハビリテーション」として述べる。
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