特集 小児訪問看護の基本を学ぶ
小児訪問看護の実際―困難事例への対応紹介
島田 珠美
1
1川崎大師訪問看護ステーション
pp.409-413
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100675
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当ステーションは医療法人立で病院併設型の訪問看護ステーションである。母体病院の宮川病院は内科・外科・整形外科を中心とした地域密着型の一般病院で,外来・入院ともに小児科は扱っていないが,平成9年に訪問看護ステーション開設当初より,小児の訪問看護を受け入れている。当ステーションにおいても訪問看護の対象は高齢者が主体で全体の約9割を占めており,訪問看護ステーションとしては一般的などこにでもあるステーションと考える。
当ステーションでの最初の小児ケースは療育センターの紹介であり,以降療育センターと適宜連絡を取りながら訪問看護を行なっており,その後も定期的に療育センターからケースの紹介が続いている。小児の訪問看護に関しては医療機関から直接,退院調整等で依頼が来ることはほとんどなく,地域の療育センター等を通じての紹介,もしくは両親が直接申し込みに来られている。一般の訪問看護の多くが退院時に導入になることを考えるとこのような傾向は不思議である。「訪問看護は老人のためのもの」「介護保険でないと利用できない」といった,誤った認識が根底にあるように思われる。これは,2001年に全国訪問看護事業協会の小児在宅療養のためのケアマネジメント開発事業の中で行なったアンケート調査でも,医療関係者において訪問看護に関する知識が少ないことが明らかになっている。
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