連載 訪問看護 時事刻々
今月の話題 グリーフケア
石田 昌宏
pp.957
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100590
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介護保険制度5年目の見直しが近づいてきた。いよいよ議論も活発になってきて,課題も明らかになりつつある。
訪問看護に関しては,医療保険と介護保険の整合性をどのように図るか,介護予防に訪問看護をどう活用するか,そして通所看護を新たなサービスメニューとして導入するか,などが主な課題だろう。
もうひとつ,ぜひ改善してほしいのが,ターミナルケアである。
死ぬときは畳の上で,という希望は強い。しかし実際にはこれは難しいことで,死の大半は病院のベッドの上である。高齢化が進むということは,高齢者が増え,つまり死亡する者も増えるということ。死ぬことは特別なことでなく,身近によく出会うものになる。死の瞬間が希望通りにならない社会は幸せな社会とはいえない。ターミナルケアの充実は不可欠な課題だ。
畳の上での死を支えるためには,訪問看護が欠かせない。確かに現在も,介護保険でも医療保険でも,訪問看護のターミナルケアに関する報酬がある。「ターミナルケア加算」(介護保険,1200単位)と「ターミナルケア療養費」(医療保険,12000円)である。しかし,死亡月の前月から訪問していないと算定できないことや,グリーフケアは評価されていないという問題点が指摘されている。
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