特集1 精神訪問看護のコツを学ぶ・2
精神障害を持つ介護家族との関わりを通して―ケアマネジャーにできること
松井 順子
1
,
山下 いづみ
1
,
牧野 光子
1
1聖隷ケアプランセンター浜松
pp.802-810
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100566
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はじめに
介護保険がスタートして5年目を迎えた。5年も経てば,ケアマネジャーとして,困難ケースといわれる利用者や家族に関わってきた事例も少なくない。特に,利用者のみならず,本人を取り巻くインフォーマルな関係者が問題を抱えている場合の調整には,かなりのエネルギーを費やしている。特に,介護者の中に精神障害を持つ人がおり,利用者のケアマネジメントを行なううえでその人と何らかの調整が必要な場合は,単なる困難事例とは大きく違うと感じている。
というのも,まず,ケアマネジャーである私たちが,精神障害に関する知識や精神の領域の現場での経験が不足している者がほとんどであることが挙げられる。そのため,どのように関わりをもてばよいのか不安や疑問を感じながら対応している。しかも,いまだ,「世間に知られたくない」といった閉鎖的な障害であるため,的確な情報や相談相手が少ない中での関わりとなる場合が多い。その結果,ケアマネジャーがその家族の中に奥深く入り込み,問題を1人で抱え込んでしまう危険度が高くなりうる事例であると思う。
そこで,今回,同居家族に精神障害を持つ利用者,家族との関わりを報告することで,少しでも,悩みながら関わっている多くのケアマネジャーのヒントになればと考えている。
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