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介護支援専門員とは,介護保険におけるケアマネジメントの中核を担う職種であり,ケアマネジャーと呼ばれている.介護保険法では「要介護者等からの相談に応じ,及び要介護者等がその心身の状況に応じ適切な居宅サービス又は施設サービスを利用できるよう市町村,居宅サービス事業を行う者,介護保険施設等との連絡調整等を行う者であって,要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識および技術を有する者」と定められている.介護支援専門員の資格を取得するには,厚生労働省令で定める介護支援専門員実務研修受講試験に合格し,かつ介護支援専門員実務研修の課程を修了しなければならない.なお,受講試験を受けられる要件として,医師や看護婦,理学療法士,作業療法士,介護福祉士,社会福祉士等の資格を有し5年以上の経験のある者のほか,福祉施設等での相談援助業務や介護業務等に従事した者など,幅広い要件が掲げられている.
介護支援専門員の業務は大きく3者に分類することができる.第1は被保険者に代わって行う要介護認定の申請代行や市町村から委託を受けて行う認定調査である.第2は業務の中核となるケアマネジメント業務であり,要支援および要介護高齢者等の依頼を受け,アセスメントの実施と課題分析,居宅サービス計画の作成を行う.サービス計画の立案は,利用者や家族の意向はもちろん,サービス提供者から意見を聴取し,また担当者会議を開いて行われることになっているが,担当者会議の開催は低調である.具体的な計画を立案する際に,サービスごとに定められた介護報酬額や給付限度額が勘案される.そして,当該地域にある居宅サービス事業者や介護保険施設等との間でサービス利用の調整を行い,週間および月間の具体的なサービス提供プログラムが決定される.また,サービス実施後は,サービス内容の変更や実施状況の継続的な把握が行われる.第3はサービスの給付管理業務であり,利用者個人ごとのサービスの実績管理(給付管理票の作成)やその結果を国民健康保険団体連合会に提出する業務等である.なお,施設利用者に対しても,当該施設に勤務する介護支援専門員が個々の利用者に対し介護計画を立案し,サービスの提供が行われる.
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