増刊号 日本の病院建築
〈鼎談〉「QOL時代」の病院建築
小滝 一正
1
,
河口 豊
2
,
長澤 泰
3
Kazumasa OTAKI
1
,
Yutaka KAWAGUCHI
2
,
Yasushi NAGASAWA
3
1横浜国立大学工学部建設学科
2厚生省医療・病院管理研究所施設計画研究部
3東京大学工学部建築学科
pp.5-19
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541901058
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病院建築の最近のコンセプト
長澤 ここ10〜20年ぐらいの間に,日本の病院はある意味ではずいぶん進歩してきたと思います.建築の面だけでも,たとえば面積の増加,合理的な平面計画,それから仕上げもよくなってきています.今日は病院建築のこれまでの歩みを振り返るとともに,これからの病院建築についてどう考えたらよいか,夢なども含めて語り合いたいと思います.
病院建築の動きの中で,とくに印象的なことは市立病院クラスの公立病院のレベルが大変上がってきていることです.たとえば,かなり前に,東海道新幹線に沿った東海地区の掛川市とか清水市など,いくつかの公立病院ができたときにその印象を強く持ちました.このごろでは他の地域の病院でもいろいろと工夫された良い建物ができています.これは面積に余裕ができたことも一つの要因かとも思われますが,病院側でも,あまり粗末なものではまずいという意識を持つよつになったこともあると思います.この点に関して河口先生いかがでょうか.
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