特集 改正介護保険から1年
コラム●在宅で逝かれたAさんのこと
飯島 美佳
1
1ともろー訪問看護ステーション弥生台
pp.283
発行日 2007年4月15日
Published Date 2007/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100421
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Aさんは主治医から「子どもたちが未成年のため,在宅生活を送るのは難しい。子どもたちへの負担が大きすぎる」といわれて,退院の許可が下りずにいた。しかしAさんには,子どものもとに帰りたいという強い希望があり,退院してきた(本人の後日談として,「家に帰ることを了解してくれない長女に帰りたい気持ちを大泣きしながら訴えたの。泣き落としたの……」と聞いた)。
ある日の訪問では,全身色不良,呼吸困難苦が強くSpO2:81~83%(O2:3.5L/min),やや朦朧状態。肺のAir入りが弱い。しかし,Aさんは「シャワー浴がしたい」と強く希望する。そこで主治医指示の最大酸素流量O2:5L/minをマスクで開始し,SpO2の安定を図りつつシャワー浴を実施することになった。Aさんには「大丈夫,大丈夫。付いているから安心して」と終始声をかけ通し,全神経を集中しての介助であった。
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