実践報告
最後まで入院か在宅かで揺れ動いた一人暮らしの高齢者への訪問看護の実際
藤田 愛
1
,
稲垣 絹代
2
1北須磨訪問看護・リハビリセンター
2神戸市看護大学地域看護学
pp.42-47
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100374
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はじめに
北須磨訪問看護・リハビリセンター(以下,当センター)が開設された2004(平成16)年5月1日から,2006(平成18)年4月6日までの約2年間における全利用者数は297名で,うち一人暮らしは33名であった。また,全利用者の中で自宅で最期を迎えたのは31名で,うち2名が一人暮らしであった。
訪問看護師の役割について私は「その人が望むように生き,死を迎えられるように看護を通して支えること」と捉えており,たとえ一人暮らしでも,その人が望めば最後まで家で過ごすことを支え,実現したいと考えている。しかしながら現実にはまだなお課題が多い。
今回担当したA氏は,「最後まで入院はせず,自宅で過ごしたい」という気持ちと,「一人で過ごすことの不安」との間で揺れ動き,最終的に入院か在宅かの意向が明確にできないままであった。最終的に自宅で永眠したが,A氏への看護の実践を通して,一人暮らしの高齢者の終末期を支えるための訪問看護師の役割について考察したので報告する。
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