昨日の患者
一人暮らしを楽しむ
中川 国利
1
1仙台赤十字病院外科
pp.372
発行日 2014年3月20日
Published Date 2014/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104998
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- 文献概要
超高齢社会を迎え,元気に生活する老人が増えつつある.娘さんの心配をよそに,気ままな一人暮らしを楽しむ患者さんを紹介する.
94歳のIさんは生来元気で病気をしたことがなかった.しかし便秘が生じ,精査を行うと大腸癌であった.そこで腹腔鏡下結腸切除術を施行した.退院時,付き添う娘さんから「7年前に母が亡くなりましたが,父は高齢にもかかわらずすべてを自分で行い,一人暮らしを楽しんでいます.まだまだ現役の農夫ですので,自慢の畑を見に来てください」とお誘いを受けた.私の父親も92歳で亡くなるまで畑仕事を楽しんでいたことを思い出し,ある土曜日の午後にIさんの自宅を訪ねた.
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