研究報告
訪問看護師の職業ストレスに関する研究―職位別のストレッサーの検討
仁科 祐子
1
,
谷垣 靜子
1
1鳥取大学医学部保健学科地域・精神看護学講座
pp.840-849
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100219
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はじめに
看護師のストレスに関する研究は今日まで多数存在し,看護師は精神的に不健康であり,バーンアウトに陥りやすいことが報告されている1-6)。看護師のストレスが患者の満足度に影響を及ぼす7),医療事故につながる8)という報告もあり,看護師のメンタルヘルスケアは医療の質の維持,向上に寄与するものと考えられる。
しかしながらストレス研究の多くは施設内看護師を対象としたものであり,研究結果がそのまま訪問看護師にも適応できるとは限らない。したがって訪問看護師のストレス研究の蓄積が必要だと考える。訪問看護師を対象とした調査で松山ら9)は,職位(管理者とスタッフナース)が異なるとストレッサーも異なることを報告している。しかし職位別のストレッサーの詳細は検討されていない。今回,訪問看護師のメンタルヘルスケアを考案するにあたり,職位別のストレッサーの特徴を把握する必要があると考えた。
以上をふまえ,本研究では,訪問看護師の心理的ストレスに影響を及ぼす職業ストレッサーの特徴を,職位別に把握することを目的とする。研究のステップは第1に,管理者とスタッフナースの職業ストレッサーを比較検討する,第2に,スタッフナースの職業ストレッサーに影響を及ぼす潜在因子を検討する,の2段階とした。
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