特集 個人情報保護法への対応
漏洩防止に向けた介護事業者の取り組みの具体例
山田 滋
1
1あいおい損害保険株式会社クオリティライフ事業室
pp.556-564
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100169
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個人情報保護法の影響はむしろ利用者や家族の意識に
本稿に先立ち,本誌6月号の特別記事では,介護事業者にとっての個人情報保護法の持つ意味を考えました。そこで解説したように,個人情報保護法が施行されたからといって,介護保険利用者の個人情報保護が手厚くなったわけでもありませんし,介護事業者の責任が重くなったわけでもありません。従来から十分手厚く保護されていたにもかかわらず,実態が伴っていなかったのです。
しかし,利用者や家族の側では確実に変化が起こります。すなわち,「個人情報保護」という法律の名前によって,利用者や家族の権利意識が高まり,今まではちょっとしたクレームで済んでいた個人情報をめぐるトラブルが,紛争というカタチで表面化するということです。ですから,大切なことは,この法律施行を機に「利用者の個人情報漏洩防止のための取り扱いと管理のルールをきちんと作ること」なのです。
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