Japanese
English
研究と報告
自我漏洩症状の症状変遷について
Characteristics of the Symptom Shift in Egorrhea Syndrome
萩生田 晃代
1
,
濱田 秀伯
1
Teruyo Hagiuda
1
,
Hidemichi Hamada
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
キーワード:
Egorrhea symptom
,
Symptom shift
,
Phenomenon of being influenced
,
Pseudohallucination
,
Schizophrenia
Keyword:
Egorrhea symptom
,
Symptom shift
,
Phenomenon of being influenced
,
Pseudohallucination
,
Schizophrenia
pp.283-289
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904915
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【抄録】 自我漏洩症状の特異な症状変遷を示した2症例について報告した。症例1は自己臭恐怖—考想伝播(視線によって思考内容が漏れる)—考想伝播(喉から勝手に思考内容が漏れる)の順に,症例2は表情恐怖—自己視線恐怖—考想伝播(喉から無理に思考内容が漏れる)の順に変遷し,患者は次第に症状に対処できなくなっていった。症状進展の特徴として,内部の支配・強制感の強まりと,漏洩する内容が具体化・言語化することを,挙げることができた。
被影響現象と自我漏洩症状という,対立する2つの自我障害の系列の,症状の進展を比較すると,支配・強制感の強まりと内容の具体化・言語化といった構造上の類似が認められた。なお自我漏洩症状は,その進展から,運動性の強い仮性幻覚としてとらえることも可能であった。
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