特集1 小児訪問看護への期待
NICU退院後の育児を支えるための訪問看護への展望
横尾 京子
1
,
谷口 美紀
2
,
名越 静香
3
1広島大学大学院保健学研究科
2広島大学大学院保健学研究科博士課程前期
3広島県看護協会訪問看護事業局
pp.216-221
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100101
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はじめに
電話相談の限界と訪問看護への期待
NICU看護においては,出産後の親子ができる限り早期に家庭生活を開始できるよう,新生児のニーズに応えるだけではなく,親子関係の形成や親となる過程を支え,親としての役割を果たせるよう援助することが不可欠である。
NICUを退院するためには,家庭で親が子どもを適切に世話できることがその条件となる。そのため親は,退院までに自分の子どもの育児に必要な知識や技術,態度について学習する。しかしながら,学習はしていたとしても,専門家のもとを離れ自分の判断で子どもの世話をするとなると,心配や不安がつきものである。
多くのNICUでは,退院後も継続して電話相談に乗れるよう,家庭との間にホットラインを設けている。しかし,電話相談によって問題の緩和や解決につながることもあるが,相談後の状況や結果を確認したり,その後も継続して相談に乗ることは難しい。このような電話相談の限界は,訪問看護によって解決できるのではないかと考える。
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