特集1 小児訪問看護への期待
小児訪問看護を始める人のために―読者からの質問に答えて
山西 紀恵
1
1南区メディカルセンター訪問看護ステーション
pp.208-215
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100100
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はじめに
私がかつて小児専門病院のNICUに勤務していたとき,出生直後から哺乳不良と酸素が必要なために,保育器にはいったまま1か月間両親に抱っこもされずにいた新生児が搬送されてきました。この子は最終的には両親に抱っこされ亡くなりましたが,もっと早くから両親が医療的ケアを覚える機会があり,そのサポートを行なう医療者が地域にいれば,家族とともに少しの間でも家での生活ができたお子さんでした。
また,同じ病院で外来勤務をしていたときには,自分が病棟で見ていた子どもたちが,退院し,入院中には予測できなかった状況で通院あるいは入退院をしている姿に,家ではどのような生活を送っているか,家族に問いかけても不明瞭だったり,「そんなことをしていたの?」と愕然としたりと,病棟での退院指導と退院後の日常生活がつながっていない現状を見てきました。これらのことが,小児の訪問看護に目を向けさせられたきっかけです。その後訪問看護ステーションに入り,小児の訪問看護を担当して7年になります。
ここでは,小児訪問看護を始めようとしている方,あるいは比較的経験の浅い方から寄せられた質問に対して,できる範囲で答えていきたいと思います。
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