特集 スタンダードとしての母乳育児を科学的・効果的に援助するために(上)
退院後の地域での母乳育児支援
越山 茂代
pp.471-477
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902891
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はじめに
我が国のように人工乳が当たり前のように浸透している社会では,母乳育児期間の長さは,母親が母乳育児をしていくのだという「決意」を持続できるかどうかに強く影響される1)。しかし,退院後には表1のような母乳育児の継続を阻む因子が多く潜んでいる2)ため,母親はその「決意」を揺るがされ,孤立感や不安感を持ちやすい。
ほとんどの女性は生理学的に自分の子どもの欲求に見合った量の母乳を作ることができる5)。したがって,適切な継続した社会支援,特に地域での母乳育児を支援する体制が整っていると,女性は本来持っている力を発揮して自信を持って母乳育児を長く楽しむことができるのである6)。本稿では,地域で利用できる具体的な母乳育児支援と保健医療従事者の役割について検討したい。
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