医療事故を防ぐための院内システムの構築

はじめに

　わが国の医療事故を取り巻く2大問題は，医療事故が頻発しており，再発防止がなされることなく，さまざまな医療機関で繰り返し起こっているという「事故防止体制の不備」と，エラーや事故が起こった時に，現場で患者にきちんと説明や謝罪がなされていないことや，その事実が病院管理者に迅速に伝わっていないという「事故対応体制の不備」です。本稿では，主に前者を克服するための「組織的な事故防止体制」について，構築のポイントと課題をまとめます。