特集 妊産婦死亡の現状と削減に向けた対策
総論
妊産婦死亡を防ぐための研修と地域連携システム構築の重要性
橋井 康二
1
HASHII Kouji
1
1医療法人ハシイ産婦人科
pp.319-323
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000809
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はじめに
2015年に日本産婦人科医会が中心になって日本産科婦人科学会,日本周産期・新生児医学会,日本臨床救急医学会,日本麻酔科学会,妊産婦死亡症例検討評価委員会,京都産婦人科臨床救急研究会が協力して日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)を設立した。設立の目標は,あらゆる職種の周産期医療関係者に標準的な母体救命法を普及させるとともに,効果的な母体救命医療システムの開発とその実践を促進すること,およびこれによる妊産婦への質の高い医療の提供と周産期医療のさらなる向上を目指すことである。特徴は臨床救急医学会,日本麻酔科学会といった全身管理に長けた医師の組織の支援と,妊産婦死亡の実態調査と分析に実績のある母体死亡症例評価委員会が加わっていることである。同委員会は毎年の母体死亡症例の分析の結果を「母体安全への提言」として提示している。さらに日本看護協会,日本助産師会,日本助産学会が協力団体として加盟しており,協議会の内容を共有している。
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