連載 見直そう「儀式」「習慣」だらけの感染管理・5
医療器具から感染した!
土井 英史
1,2,3,4
1関西労災病院
2岸和田徳洲会病院
3セコメディック病院
4ヘルスケアリソース研究所
pp.932-933
発行日 2000年11月10日
Published Date 2000/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902291
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感染率を高める医療器具の使用
さて,今回は,医療器具による感染,そして,サーベイランスを使ったInfection Controlについてのお話をしましょう。
図を見ておわかりのとおり,同じ病院内でも,病院全体とICUでは感染のデータが異なります。しかしいずれも中心静脈にカテーテルを挿入する,気管内挿管をする,フォーリーカテーテルを挿入する,あるいは,手術のために皮膚を切開するなど,治療上やむを得ない行為です。これが同時に,Infection Controlにとって非常に問題のある手技だということができます。つまり,これらの手技すべてが,皮膚や粘膜など微生物の侵入を阻止する防御機能を破壊していることになるわけです。さらに,このような患者はきわめて身体状態が悪く,抵抗力がないため(易感染),感染症を起こしやすい状態だといえます。これらを考えると,医療器貝の使用がまさしく感染を起こしやすくしているのです。
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