特集 ナースに必要な社会保険の知識
社会保障と社会保険
末高 信
1,2
1早稲田大学
2社会保障制度審議会
pp.10-15
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909785
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I
終戦後昭和21年11月3日に公布された憲法に規定されてから,社会保障という言葉は,何となく新時代を想わせるようなひびきをもつものとして親しまれて来た。特にこの頃では各政党とも,これを選挙のスローガンとし,又公約として宣伝しているので,この言葉を,新聞紙上に見ない日はないくらいである。このように社会保障は,言葉としてはよく国民のうちに普及してはいるが,さてそれが如何なる意味をもつものであるか,適確にこれをつかんでいるものは極めて少ないと思う。そこでまず簡単にその意味を述べて見たい。
社会保障とは,自由主義社会において,人々の生活を窮乏からまもることは社会の責任であるとし,(国の制度として)すべての人に対し,健康で文化的な生活を保障する制度である。
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