特集 安全管理の視点から看護業務を見直す
リスク情報を改善策と共に現場へフィードバック―医療安全対策委員会の活動が形になるとき
山崎 律子
1
1聖隷三方原病院看護部
pp.588-595
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686902137
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はじめに
当院は1930年に「キリスト教精神に基づく隣人愛」を理念として開設された。以来,「患者さん中心」という考え方を核として,さまざまな取り組みを行なっている。1992年より「患者の権利」に関する宣言を掲げ,患者さんの自己決定を尊重すること,つまりはインフォームド・コンセントを推進してきた。また情報公開も然り,こと医療事故対策においては,院長の「真実を最初から説明する。隠すな。カルテも兄て頂こう」という言葉を大切にしてきた。
患者さんに医療へ主体的に参加してもらうということは,自ずと安全対策にも加わってもらうことになる。当院看護部内では,早くから医療事故対策の活動を開始していたが,病院組織全体としての「医療安全対策委員会」が活動を開始したのは,1999年である。当初,患者さん・ご家族からの不満や苦情へ対応していた「苦情処理チーム」は,現在「事故調査委員会」へと発展している。
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