焦点
看護の現状と将来に対する大卒看護婦(士)の意識について
小西 恵美子
1
,
太田 勝正
2
1東京大学医学部附属病院
2長野県衛生部医務課看護大学設立準備室
pp.205-210
発行日 1994年5月15日
Published Date 1994/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901904
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
看護系大学の設立が各地で進められている.これまでの看護は,主として3年課程出身の看護婦(士)(以下,3年課程ナースという)や准看護婦(士)によって行なわれてきた.今後は,そのなかに多くの看護系大学出身者が参入することになる.病棟で働く大卒の看護婦(士)(以下,大卒ナースという)の存在は,今ではそれほど珍しいことではない1).
しかし,大卒ナースに対する評価については,職場全体の学習意欲の向上2),あるいは,自ら考え,行動する力への期待などのプラスの評価がある一方で3,4),病棟に入っても3年程度で辞めていくというマイナスのイメージがあるなど1,5),大卒ナースに対する現場の受け止め方は様々である6).増加していく大卒ナースがきちんと定着し,持てる力を充分に発揮できる土壌を看護の現場に備えていくことが急務である3,7).
このような状況に対処するためには,これら大卒ナースが現在の看護を築き上げた3年課程ナースと,看護に対する取り組み方や考え方,あるいは,期待などにおいて,どのような違いがあるのかを把握する必要がある.私たちは,このような視点から,今回,病棟で勤務している大卒ナースと3年課程ナースを対象として,両者の違いの有無あるいは看護における共通の問題などを把握する糸口を得るためのアンケート調査を行なった.以下に,その結果について報告する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.