外来に変化を・5
ネットワークから始めよう―外来看護が変わる時
坂本 幸子
1
1筑波大学付属病院
pp.377-383
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901853
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ネットワークは"補完"のシステム
人は,疾病や障害など自分自身の対処能力を越える状況では,よりサポーティブな機能を備えた,人と環境が必要となる.周りから効果的に支えられることにより,健康や自信を取り戻し,自分らしく生きることの意味を見出すことができる1).
金子は,「ネットワークとは互いに違うもの同士が,それぞれの知識や技術を補完することで,一人ずっではできないことを可能にするシステム2)」といっている.これだけ専門分化された医療と,患者のニーズの多様化に対応するには,1人の力だけでは及ばない.自分にできること,できないことを知り,患者にとって今何が必要で,誰がその援助を行なうことが最善なのか,その思いをかたちにする.それがネットワークである.外来看護婦同士,医師,病棟の看護婦,栄養士,地域の人々,セルフ・ヘルプ・グループなどがつながりをもち,それぞれの役割を担う.違いを認識し相互依存関係を結んで,患者のために機能することである.
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