けんさアラカルト
高度先進医療制度をめぐって
三浦 公嗣
1
1厚生省健康政策局総務課医療技術開発室
pp.141
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901402
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近年のわが国の医療需要は,高齢化社会の到来が量的拡大をもたらしたのみならず,豊かな社会への国民の強い志向によって,個人の病状や残存機能に見合った多様な医療が求められるようになるなど,医療需要の質的変化もみられるようになってきている.
一方,科学技術の急速な進歩に伴って,最近の医療技術における進歩には目をみはるものがある.さまざまな健康指標が示すとおり,国民が医療のもたらす恩恵を享受できた背景には,昭和36年の国民皆保険制度の達成以来,医療費負担を支えてきた医療保険制度が深くかかわっているが,その保険医療制度にも,保険の適用がない高度の医療を行った場合には,当該医療にかかわる費用のみならず,高度医療に直接関係しない医療費も自己負担とせざるをえないという問題点があった.
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