特集 保健婦はなにをする人か
保健婦がきく地区民の声
"希望すれば個別指導もしてもらえるか"と言われて
隈部 京子
1
1熊本県山鹿保健所
pp.20-21
発行日 1965年1月10日
Published Date 1965/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203285
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母子クリニックの中から
ストーブを入れるには早すぎると,どっちつかずの赤ちゃんには不適当な母子クリニックが開設される昨今ですが,穫り入れを終った農家の妊婦さんたちの顔ぶれとあわせて,9時の受付が開始されます.予診,身体計測,診察,つづいて医師の指示にもとづいた保健婦の指導が母子相談室で,ごく限られた時間に行なわれてゆくのですが,時間的にあるいは保健婦の数の問題でたしかに不足するものを感じないのではありませんが,そこは,経験よろしく,妊婦さんのグループをしばらく,つぎは栄養相談室へどうぞ,つぎは1〜2カ月の赤ちゃんグループを,さて3〜4カ月の赤ちゃんグループをこのつぎに,5〜6カ月は栄養士さんのほうで,これは問題がありそうだから保健婦さんのほうで,といった具合に栄養室と母子相談室が密接な連繋をもった,母子指導係のもつ妙味が,私にとってはひじょうに生きがいのある母子クリニック開設の1日であります.それは,この機会がクリニックに訪ずれた人たちの,ひいては地区民の声をはっきりとつかむことのできる場所であるし,また私ども保健婦がなんであるかを,はっきりとその人たちにわかってもらえる場所でもあるからです.
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