連載 ボランティアがつくり支える病院・2
ボランティアの採用とプログラム
西村 由美子
1
1スタンフォード大学アジア/大平洋研究所医療政策比較研究プロジェクト
pp.160-163
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901581
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●オリエンテーション風景から
毎月第3木曜日の午後6時,ルシール・パッカード小児病院の会議室は熱気に満ちている。ボランティア希望者のための定例オリエンテーションが開かれているのだ。ボランティア希望者は,まずオリエンテーションに出席しなければならない。
ルシール・パッカード小児病院で,ボランティアの募集,採用,配置に責任を負っているのは,ボランティア・コーディネーターのメアリ。2歳の女の子をもつワーキング・マザーで,病院の有給の職員(パートタイマー)である。定例オリエンテーションを開催するのはメアリの重要な任務。多岐にわたるボランティアの仕事内容,服装規定,募集条件から採用までの手順などを,手際よく詳しく説明する。
ボランティア希望者はかなり多い。オリエンテーションのたびに100人以上収容できる病院の会議室にあふれんばかりの応募があるのが常で,筆者が取材に訪れた日も,事前登録を上回る出席者でオリエンテーション会場はほぼ満席。配布資料が足りなかった。会場を見渡すと,希望者は実に多彩で,高校帰りのティーンエイジャーから,すでに退職して悠悠白適とみえる初老の男女,いかにも会社帰りというビジネススーツの男女まで,年齢も社会的立場もさまざまである。
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