特集 明日に備える組織をめざして―聖マリアンナ医科大学病院の看護部再編
理念達成へ向かう教育プログラムの創造―「教育支援ネットワーク」の活動[1]
松本 喜代子
1
1聖マリアンナ医科大学病院看護部
pp.765-770
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901521
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ケア・キュア・コアの理念に基づく教育プログラムへの転換
当院では,1~3年目の看護職員の割合が全看護職員の5割を占め,毎年100人以上が入れ替わる(図1)。この状況では,新入職者への教育に時間と労力を注がないわけにはいかない。看護師長たちは,「毎年進歩がないんですよね。同じことの繰り返しで」と嘆く。しかし,長い目で見れば,全体の勤続年数は確実に伸びている(図2)。進歩がないと感じてしまう理由は,集合教育後の実践の積み重ね方に課題があるからと考えられた。
教育計画立案にあたり考慮している点は,患者のニーズはどこにあるのかということと,その費用対効果である。当院入院患者の疾病構成は表1のように,1位から3位は順に循環器疾患,悪性新生物,消化器疾患で全体の39.5%であった。悪性新生物は年々増え,第3位の消化器疾患は減少しつつある。第4位に内分泌・栄養および代謝疾患ならびに免疫障害があり,第3位に迫っている。このような地域のニーズを考えると,急性期の看護だけでなく,回復期から慢性期も含めたセルフケアに向けた看護教育が必要となる。
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