特集 明日に備える組織をめざして―聖マリアンナ医科大学病院の看護部再編
人的資源の配分・統合を支援する「ヒューマン支援ネットワーク」の活動
北原 和子
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1聖マリアンナ医科大学病院看護部
pp.753-759
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901519
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ヒューマン支援ネットワークのめざすもの
ヒューマン支援ネットワークの総括担当者は,従来の呼称で言えば「総務」である。担当者の役割は,役職や業務分担,部署,委員会,プロジェクト,専門看護師,個人がそれぞれの枠を超え,持っている力を公開し,ネットワークのシステム化と機能・効率を高めて活用することにある。
「ケア・キュア・コア」の看護部理念をもとにしたヒューマン支援ネットワークの役割と機能としては,次のようなものが挙げられる。「コア」となる専門職業人としての看護専門職員と補助職員が医師や他部門の医療従事者とチームワークを高め,個々が持つ能力を最大に発揮できること,そしてこれらの力を活用することにある。さらに看護の仕事に対して,やりがい(一定水準以上の職務満足)を持てることが必要である。また,「ケア」は,多様化するニーズの中で,より質の高い看護サービスを提供するため,人材を確保し適正配置を行なった上で,知力,マンパワー,時間を有限な資源として適材適所に有効活用することにある。さらに,「キユア」は,病態の変化に応じてより早い時期に適切な看護が提供できるよう,労働環境を整えることが重要である。これらが機能し成果をもたらすためには,それぞれのネットワークが協働することと,システムの構築,情報の共有化を促進しなければならない。加えて,目標管理の強化と時間管理に対する支援が必須である。
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