実践報告
乳癌患者に対する詳細な医療情報提供のためのミーティング―「カニさんの会」の試み
岡崎 愛子
1
,
西岡 順子
1
,
奥 良美
1
,
宮内 一恵
1
,
西宮 由美子
1
,
安永 律子
1
1国立病院四国がんセンター
pp.540-543
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901455
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はじめに
国立病院四国がんセンター(以下,当院)は,四国地方の癌医療の基幹病院として,日々癌医療に取り組んでいる(表1)。現代医療の細分化,スピードアップに伴い,患者の受ける医療に関する情報は日々変遷し,かつ複雑多岐にわたるため,患者自身が主治医による病状説明を受けても,治療方針決定をする際に,十分な情報が与えられていないケースが目立つ。特に乳癌に関しては,外来通院から,入院・手術・退院・外来通院という流れがきわめて短期間に進むため,患者に対する情報提供が不十分になりがちであった。このことは従来から医療スタッフの反省点であった。
そのため,乳癌患者に対する診療情報の提供を効率的に行ない,患者の自由意志に基づく治療方針の決定,治療の施行をスムーズにするため,2000(平成12)年9月より「カニさんの会」(以下,本会)を設立した。本会は,乳癌患者を対象に,当院外科で現在行なわれている乳癌治療について,医療スタッフがわかりやすく解説しながら,患者と意見交換を行ない,患者自身の治療に対する理解を深めてもらう会としてスタートした。
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