連載 町看護婦から医療を見ると・9
わかりたい・伝えたい
新田 幸代
1
1新田クリニック
pp.779
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901286
- 有料閲覧
- 文献概要
Yさん(93歳・女性)は,ある朝突然言葉を失いました。目が覚めて話すことができず,家族が何を言つてもボーッとたたずんでいたというのです。
頭部MRI検査の結果,多発性脳梗塞と診断されました。病巣は,古いものと比較的新しいものが混在し,急性期治療の適応はなく,外来で抗凝固療法のみが開始されました。身体の麻痺はなく,日常生活動作に問題はありませんでした。問いかけに表情や片言の単語で応答できることから,軽度の運動性失語と診断されました。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.