特集 誌上フォーラム 当院のリスクマネジメント
―関西労災病院―予防に役立つ事故分析と看護技術の徹底を図る
金城 智恵子
1
1関西労災病院
pp.189-192
発行日 2000年3月10日
Published Date 2000/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901168
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はじめに
看護は患者の生活全般から治療援助にいたる広範囲な業務を抱え,しかも生命にかかわる非常に大切な職務である。看護実践の場での事故には,「転倒・転落」「誤薬」「患者間違い」「針刺し事故」「院内感染」などがある。少しの気のゆるみや慣れが医療事故を起こし,患者の命を脅かすことになる。
当院においても,1987年に看護部に医療事故防止委員会を発足させ,事故報告書の提出を促し,事故の認識を深めるために看護職員の研修を実施するなど,さまざまな検討を重ねた。が,事故は一向に減少の傾向を見せなかった。その一因として,事故が起きても,個人の問題として取り扱い,組織的な検討ができていなかったことがあげられる。また,事故が起きても報告書を出さない部署もあり,事故に対する認識が浅かったと考えられる。
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