クローズ・アップ
—兵庫県南部地震直後,新しい命の誕生を守った—関西労災病院助産婦の皆さん
pp.263
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901215
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1月17日未明,戦後最大の被害を出した「兵庫県南部地震」の直前,兵庫県尼崎市にある関西労災病院では,新しい生命が誕生しようとしていた。
前日入院した今中智子さん(28歳)は陣痛が始まり,ピークに達し分娩室に移るところであった。自宅で待機していたこ主人の祥司さん(32歳)にも,病院から5時半頃,その旨電話が入った。祥司さんが病院に出かけるべく着替えをしていると,5時46分,ドカン,ドスン,と大地震が起きた。祥司さんは娘の亜莉沙(ありさ)ちゃん(3歳7か月)を連れて,灯りの消えた闇の街を車で関西労災病院に駆けつけ,ひび割れた廊下を走って分娩室に飛び込んだ。地震の起きた時,分娩室の電気は消えたが,すぐに自家発電に切り替わった。壁が一部くずれ落ちた。病院の寮から,助産婦の脇本和美さんがパジャマ姿で応援に駆けつけた。
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