グラフ
人と人がつなぐケア提供システム―病院と地域の連携を越えて
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.97-100
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901164
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はじめに
私が北海道にある滝川市立病院を訪れた目的は,地域の基幹病院である市立病院を中心とした,滝川市の保健医療福祉システムの変化を取材することであった。高齢化に伴い医療や介護を必要とする人々が増え,病院や既存の施設だけではそれらの人々を支援しきれない事態が,今,日本の多くの市町村で起こっている。これらの人口動態上の変化と同時に,人生の最後の時期を家族とともに過ごしたい人,過ごさせたい家族,そして1人暮らしであっても住み慣れた家で過ごしたいと考える人が増えてきている。このような人々のニーズの拡大は,人口動態の変化とは異なる,個人の側の変化として捉えることができるだろう。
また,このような変化の中で今年4月に導入されようとしている公的介護保険が,実際の場面ではどのように準備されているのかを知ることも,今回の訪問の具体的な関心であった。
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