連載 看護管理者の眼・12(最終回)
迷ったら,基本と根拠に立ち戻れ
田中 由紀子
1
1横浜市立市民病院看護部
pp.1013
発行日 2000年12月10日
Published Date 2000/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901127
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今,看護管理者の耳目にたびたび入ってくる言葉にEBN,クリティカルシンキング,リスクマネジメント,マネジドケア,プライマリケア,クリティカルパス等々,外来語が多々あります。でも,これらの意味を正確にいくつ答えられるでしょうか? 何となく感覚的にはわかるけれど,きちんと言葉で説明できるものは案外少ないのではないでしょうか? そもそもこれらの言葉は外国の土壌の中から生じてきたものであり,その根拠なり,基本的な考え方があったはずです。しかし,私たちはそのことを理解せずに,言葉だけが行き交う議論をするので,みんなの認識がずれたまま,なかなか結論にまで達しないということがあります。
毎日の業務の中でも,根拠になること,基本的な考え方をきちんと押さえないまま行なっていることがあるのではないでしょうか? 私がある病院に転勤して,何事もなく行なわれている業務の中に「なぜ,そうなっているのかわからないもの」がいくつか目につき,婦長たちに「これを行なっている根拠は?」と質問攻めにして,『根拠さん』というニックネームを付けられ,煙たがられたことがありました。
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