特集 医療事故は防げるか
〔インタビュー〕事故防止と医療の質確保―現場のジレンマから考えること
岡崎 悦夫
1
1新潟市民病院臨床病理部
pp.610-615
発行日 1999年8月10日
Published Date 1999/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901046
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私の専門は病理科ですが,16年前に病院が救急医療に力を入れた頃から,病理医として何か貢献したいと思い,突然死の原因究明に努めてきました.そして医療訴訟で鑑定証人として法廷に呼ばれるなどの経験を経るうちに,医療事故やクレームの多い病院は医療の質が高いとは言えないと考え,このような「組織の病理」を解明し,事故防止に役立てる「予防病理学」に関心を持つようになりました.
新聞やテレビで報道される医療事故に対して,いつも「どうしてこの事故は起こったのか」と考えます.そして,周囲の現実を直視して間題を整理してみると,事故の予防はある診療科だけの問題ではなく,看護部なども含めた病院全体のシステムや病院のあり方,組織の文化的・精神的風土などが関わっていると考えるようになりました.
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