特集 日帰り手術の現在
日帰り手術における麻酔科医の役割―今後への提言
村田 洋
1
1兵庫県立こども病院麻酔科
pp.434-439
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901014
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はじめに
日帰り手術は,いわゆる外来手術とは根本的に異なる概念である.外来手術が片手間的に外来の処置室などで局所麻酔下に行なわれているのに比べ,日帰り手術は,従来入院で行なわれていた手術を,そのクオリティを保ったまま,医療技術の進歩,意識の改革により可能な限り入院日数を少なくして,最終的に0日にしたと考えるべきである.
医療経済の変化や国の医療行政を先取りして,日帰り手術を取り入れようとする施設が多く見られるが,経済面のみが優先して,日帰り手術の真の有用性や安全性がないがしろにされないように心しなければならない.日帰り手術では,安全性の確立が絶対条件であり,そのための医療技術の修得,設備の完備,人員の確保,コメディカルを含めての協力体制が揃ってはじめて,本当の日帰り手術が導入できると考えている.
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