特集 日帰り手術の現在
診療報酬上の評価とこれからの見通し
伏見 清秀
1
,
梅田 勝
1
,
大井田 隆
1
1厚生省保険局医療課
pp.440-444
発行日 1999年6月10日
Published Date 1999/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901015
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はじめに
一定期間の入院を必要としない「日帰り手術」は,「外来手術」,「1日入院手術」などの名目で,患者側のニーズに応えるために一部の医療機関において比較的侵襲の少ない手術で実施されてきた.1994年の診療報酬改定において,「日帰り手術」を積極的に評価する診療報酬上の優遇措置が設けられてからは,医療機関側の経済的なメリットも認められるようになり,徐々に多くの病院で実施されるようになってきている1).さらに,1998年の改定においてはその対象が大きく拡大されたこともあり,ますます注目されるようになってきている.
この背景としては,患者側の要望の多様化とそれに呼応する一部医療機関の積極的な対応がある.また一方,急性期入院にかかわる医学管理を積極的に評価して医療の質の向上を図るとともに,医療資源の効率的な利用を促進させるという政策的誘導もあると考えられる.学会報告,インターネット上の医療機関紹介などにおいても,短期入院手術の導入を評価するものを多数見かけるようになり,各医療機関のホームページにおいて積極的に「日帰り手術」の効用を掲げるものもある.
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