特別記事
看護とカウンセリング―看護職のストレスと自己ケア
高口 榮子
1
1長崎県立島原温泉病院
pp.42-49
発行日 1999年1月10日
Published Date 1999/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900896
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はじめに
私は看護管理をあらゆる面で危機管理だと捉えてきた.最近特に気になるのは,看護職の職業的アイデンティティ障害である.
もともと医療という仕事には,心理的なストレスはつきものである.中でも,看護は人との関わりが仕事であり,バーンアウトにもなりやすい.さらに,今日は高齢化と少子化,経済の低迷など社会構造の変化が保健・医療・福祉の領域にまで波及し,介護と看護が課題とされ,厳しい経済評価がなされている.また,社会の情報化,国際化,論理化に後押しされた科学の進歩が,生命倫理を問い直すほどの技術進化をもたらし,多様な価値観を生み出し,その中で医療従事者はさまざまな反応を引き起こしている.
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