実践報告 看護実践にいかす研究の取り組み―2年目ナースの課題と成長
2年目研究セミナーへの関わり
平田 雅子
1
1神戸市看護大学短期大学部
pp.613-617
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900868
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「若いナースを対象に看護研究をさせたいのだが……」という相談を兵庫県立成人病センターから受けたのは,5年前であった.ふだん看護学生とは接していても,現場のナースとの関わりに乏しい身にとって,このような相談はかなり興味をひくものであり,かつありがたいものである.しかし,よくうかがってみると,①対象は卒後2年目のナースであること,②看護実践にいかせる研究であること,③アンケートを主な研究手段にするのではなく,実験を主にした研究であること,という希望であった.
この3つの条件を見て,「じゃあ,やってみましょう」と即座に首肯する人は,はたして何人いるだろうか.正直なところ,私は「自信がない」「引き受けたら迷惑をかけるに違いない」と思ったことを覚えている.なぜなら,「卒後2年目というのは,自分に与えられた仕事を遂行するのに精一杯で,研究をする時間的・研究能力的余裕を求めるには,早すぎないだろうか」「実験を主とした研究といっても,特別な機器を使わずに多くのテーマを消化できるだろうか」という2つの疑問をもったからである.
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