特別記事
看護管理者の誇りと正当な評価―ベス・イスラエル病院の例
太田 勝正
1
,
小西 恵美子
2
1長野県看護大学基礎看護学教室
2長野県看護大学生活援助学教室
pp.122-127
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900605
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はじめに
優れた看護実践の実現のためには,よい看護管理による支えが必要である.よい看護管理とは,単に病棟のスタッフの数を確保するとか,厳しい監視の目を病棟にめぐらせるということではない.スタッフがその力を発揮できるように病棟の人的,物的環境を整え,時には必要なリソースを確保するために病院経営者と直談判をするなど,常に質の高いケアの提供を念頭に置き,スタッフのために奉仕するのが,看護管理のあるべき姿ではないかと考えている.
1996年初頭に,私たちがお世話になったアメリカ・ボストンのベス・イスラエル病院から1通の封書が届いた1).封筒には,ベス・イスラエル病院の看護管理者が,(個人ではなく職責に対して)看護界で非常に権威のあるアデライド・ナッティング賞を受賞したことを示すニュースレターが同封されていた.「看護教育と看護サービスにおける優れたリーダーシップと業績に対する看護管理者たちの貢献を讃えて,1995年の3月に全米看護連盟から同賞が贈られた」ことが報告されていた.過去の主な受賞者には,バージニア・ヘンダーソン,フェイ・アブデラ(看護理論家),アニー・グッドリッチ(エール大学看護学部初代学部長)らが名を連ねる価値のある賞である.しかし,今日まで日本の看護界では,このニュースが話題になることもなかった.
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