懸賞受賞論文「私たちの安全・安楽の工夫」
―佳作―小児の点滴固定法の改良―ソフトガーゼを使用した固定法
谷端 千代美
1
1兵庫県立塚口病院看護部
pp.836-841
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900580
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工夫の動機
静脈持続点滴(以下,点滴と略す)は,小児が病気になった時に最も頻繁に行なわれる処置である.当病棟は,新生児から15歳ぐらいまでの小児が入院する50床の混合病棟であり,毎日平均20.1人(1996年度)の小児に点滴を行なっている.
従来の点滴固定は,基本的にはシーネ(アルフェンスシーネに特製カバー「シーネカバー」をつけたもの.サイズは幅2種類,長さ10-20cm)を使用して実施していた.しかし,シーネ固定による方法は,①小児の活動が制限される,②固定手技が複雑で,毎日の巻き直しにも時間がかかり,乳幼児では処置時に泣いて暴れることが多い,③活動の激しい小児はシーネ固定のゆるみがたびたび生じる,④シーネ固定はテープや包帯など固定材料が多く,経費がかさむ,⑤新生児や乳児には良肢位のシーネ固定が困難,などの問題があり,文献などを参考に改良を試みてきた.
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