読者からの手紙
頭皮へガーゼを固定する場合のテープ圧着の工夫
荻野 雅宏
1
,
井端 由紀郎
2
1獨協医科大学脳神経外科
2芳賀赤十字病院脳神経外科
pp.193
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902020
- 有料閲覧
- 文献概要
脳室ドレナージや定位的血腫除去術など,穿頭・ドレナージは基本的な脳神経外科手術手技である.病態にもよるが,ドレーンは一般に数日から2週間ほど留置される.人間の頭髪の成長速度は0.35〜0.44mm/日とされ1),剃毛後であっても1週間では約3mm伸びる.
脳神経外科手術創のガーゼ固定には包帯・三角巾などが用いられるが,ドレナージ術後では粘着テープが一般的であろう.シルキーテックス®(アルケア,東京)のような弱粘性のテープは,貼ったりはがしたりが比較的容易でこの用途に頻用される.しかしその粘着性は限られ,数ミリ伸びた毛髪の上でははがれやすく,創部の清潔を保つことに苦慮する.一方,エラテックス®(同)のような接着剤の強いテープは,チューブに強固に貼りついて包交の際にこれが抜けかねない.また,はがす際に患者が苦痛を訴えたり,接着剤が頭皮や毛髪に残ったりすることがあって実用的ではない.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.