看護管理 教育・研修・研究
看護婦の放射線に対する不安の実態と効果的な院内教育
太田 勝正
1
,
西原 小紀子
2
,
小西 恵美子
1
,
草間 朋子
3
1長野県衛生部医務課看護大学設立準備室
2東京大学医学系大学院保健学専攻修士課程
3東京大学医学部放射線健康管理学教室
pp.446-451
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900287
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はじめに
今日の医療において,放射線診療はなくてはならないものの1つであり,大部分の看護婦は,どの診療科に所属していても様々な形で放射線診療とのかかわりをもつ.しかし,「放射線」は「核実験」などのイメージと結びつけられることが多く1),放射線診療に関連した自分自身の放射線被ばくに対して不必要な不安を抱く看護婦が多い2,3).さらに,放射線や放射線影響に関する知識が不十分であると,患者への説明や指導が不十分となり4),日常の診療に支障を来す場合があることも指摘されている2).
放射線について正しく理解するためには,看護教育課程の中できちんとした講義と実習を行なう必要がある.しかし,現在の指定規則には臨床看護総論の中の教科内容の1つとして「放射線治療と看護」が示されているのみで,放射線防護に関する教科内容は示されていない.このため,具体的な講義の進め方,すなわち,講義内容や時間数の配分は看護学校ごとに異なっているが,小西らが1986年に行なった調査では,准看護婦学校,看護婦3年課程,短大,4年制大学のすべてで放射線防護に関する講義時間は2~4時間と少なく,放射線防護および放射線影響について正しく理解するための教育が必ずしも十分には実施されていないことが示された3).
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