連載 組織論からみた看護管理・12【最終回】
看護管理の変革
前田 マスヨ
1,2
1前:東海大学医学部附属病院看護部
2前:東海大学医僚技術短期大学
pp.438-444
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900286
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集積されている看護管理の意義と問題性
近年,病院組織と看護部組織の関わりについての悩みを聞く機会が少なくない.先の第1次,第2次の医療法改正をはじめ,社会福祉に関する法制定や整備などによって,看護,介護者らがそれまでと異なり,主体の立場に立たざるを得なくなったこと,その行動に内在する質が問われることによると言える.また,実践の科学といわれる看護管理の具体的内容について,解明を迫られるような現実面に遭遇することも多くなりつつあり,責任や管理上の振り返りを余儀なくされていることでも要因であろう.
しかし,看護管理者が主体の立場に立って考えなければならないようになったのは,決して新しく生じた課題ではない.それは戦後の保健婦,助産婦,看護婦法の制定とともに始まったのである.法律,細則を含めて,看護婦教育,身分,業務内容などのaverage(基準)が国家的に示されて,病院管理と看護管理の関わりが発生した.わが国のこの時期は,社会的に高度成長に向かってまっしぐらの時期であった.
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