特別記事
インフォームド・コンセントにおける看護者の役割
澤田 愛子
1
1北海道大学医療技術短期大学部
pp.22-25
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900217
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はじめに
インフォームド・コンセント(informed consent以下IC)は,周知のように米国における1960年代から70年代にかけての公民権運動,消費者運動,女性解放運動等のうねりの中で,患者の権利や自己決定権を保証するものとして生まれてきた.そして今や,ICを中心に医療における対患者関係は,従来のパターナリズムからパートナー・シップへと大きく変わろうとしている.
近年になって特に米国では,人生のプランを立て,また修正し,幸福を追求する主体としての個人1)の自律性(autonomy)に強い関心が払われている.それは個人だけが自己の最善を知っているからであるという理由によるだけではなく,個人の尊厳こそ,何にも代えられない価値として,自己決定権を促進するものでなければならないという思想よりきている.
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