特集 病院経営悪化の打開策
発想の転換を迫られる病院経営
藤正 巖
1
1東京大学医学部医用電子研究施設
pp.948-950
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207601
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1980年代に入り,すべての社会化されたシステムに大きな減量経営の波が襲いかかりはじめている.医療といえどもその対象から外されることはない.我が国の強力な経済成長の影であまり意識されることなく成長が続けられてきた医療経済も,1973年のオイルショック以後の経済成長の鈍化によって,いや応なしに成長をとめられる必要性が生じてきた.社会の医療に対する目は次第に医療の受療しやすさから,医療費の高さに,やがては,医療経済の仕組みそのものに対する批判へと移行しつつある.本論文は,医療経営や病院経営の枠組の外から,既にかなり高度に社会化されつつある我が国の医療の将来像について考察を加えたものであり,一つの私見に基づいたシナリオである.近未来と言われる10〜20年先の医療の姿を病院経営者は十分洞察し,対策をたてることが今後ますます必要になってくると思われ,本論文をその訓練のため批判の組上に供されれば幸いである.
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